学習用の書籍などで、文章や簡単な図だけでは中々イメージがわかずにわかりにくいことがあります。 私達は、3DCG技術を用いた「ワクワクする疑似体験」を提供し、 楽しみながら学習効果を高める助けとなります。

NHKスペシャル『驚異の小宇宙 人体Ⅲ 遺伝子 DNA』(日本放送協会) CG制作

ジャンル: 映像(地上波放送)
制作:NHK、NHKエンタープライズ21
1999年放映 全6話
『驚異の小宇宙 人体Ⅲ 遺伝子 DNA』細胞の世界

NHKスペシャルとして1989年に放送された『驚異の小宇宙 人体』, 1993年から94年にかけて放送された『驚異の小宇宙 人体II 脳と心』に続き, シリーズの第3集として全6話が制作された『『驚異の小宇宙 人体III 遺伝子』. スプリュームの前身であるケー・エー・ジェー(現在はスプリュームの完全子会社化)は, この番組内の遺伝子やタンパクの仕組みを説明するほとんどのシークエンスを 極めて個人数のチームで制作しました.

『驚異の小宇宙 人体Ⅲ 遺伝子 DNA』DNA

NHKとしてはじめてCGを大々的に使った大型スペシャル番組だった第1集, NHKに導入されたばかりのバーチャル・スタジオを駆使した第2集に続き, 第3集ではCG映像の新しい技術を取り入れるだけではなく,演出的な挑戦がなされました. 「最新の科学的知見に基づきながらも,美しくわかりやすい映像を 美しく,かつ正確に!!」というプロデューサーの 林勝彦(現 サイエンス映像学会 会長)のリクエストに沿って, 細胞の中の世界をレオナルド・ダヴィンチの機械仕掛けをイメージしてデザインするなど, 神秘的な人体内部構造を新しい表現手法で視覚化し,高い評価を得られました. 1968年に制作された有名な短編映画『Powers of ten』では宇宙の巨大な視点から 原子核の中のミクロな世界までを1カットで描いていますが, 同じように1カットで細胞からDNAまでを1カットで描きたいという林プロデューサーの期待に応えた, 細胞の世界から分子レベルのDNAまで一気にカメラが突き進むカットは,当時としては画期的でした.

細胞の世界.

『人体Ⅲ』は平成15年度から全国の高校で使われた美術の教材『高校美術1』 (日本文教出版)にも採りあげられました. ケー・エー・ジェーの3人のコンピューター・グラフィックス・デザイナーとして スプリューム代表取締役の梶塚を含む3名が掲載されています.

高校美術教科書にとりあげられたCG

このほか,NHKがアーカイブ化している人体IIIのCG映像は,後年ディスカバリー・チャンネルが購入するなど, 海外でも高い評価を得ました。